《警告。魂魄エラーの上昇を検知しました。早急にソウル・カウンセリングを受けてください》
それは無理な相談だと俺は口元を歪めた。
目の前には二つの死体がある。
片方は背中から骨と内臓を抜き取られ、代わりに機械の詰め物を押し込められた血色の悪い人形。
もう片方は骨と内臓の周りに人工皮脂を張り付けられ、まるで生きているかのように血色の良い人形。
どちらも仲良くソファに腰を掛け、苦笑を浮かべている俺を見上げている。
『おいどうした。魂魄エラーの警報がこっちにも入ってるぞ。いったいそこで何があったのか、ちゃんと報告しろ』
「行方不明だった少女を見つけた。二人仲良く“双子”でな」
『は? 該者は親兄弟のいない天涯孤独児だったはずじゃないのか?』
「知ってる。……くだらない冗句だ、聞き流せよ」
右腕にはめられた腕輪“イニシャライザー”から聞こえてくるクソ真面目な通信に答えながら、俺は咥え煙草を地面に投げた。
空いた手に力を込めると、イニシャライザーが変形しガントレットのように俺の手首に巻きつく。
《繰り返し警告。魂魄エラーの上昇を検知しました。早急にソウル・カウンセリングを受けてください》
「それよりも該者のスキャンだ、バディ。“中身”を抜かれてからどれくらい経つ」
《この二つの肉体が同じ魂魄を共有するのでないと仮定した場合、魂魄の拡散状況から死後一週間と推定されます》
俺はその場にしゃがみ込みながら、二つの死体を見つめ直す。
中身が作り物の死体はセルロイドの瞳を俺に向け、外身が作り物の死体は瞳孔の開いた瞳を俺に向けていた。
「おまえも蝋人形にしてやろうかって叫ぶ歌が昔あったな」
《魂魄エラー。魂魄エラー。発言をあらため正しい倫理観に――》
「バディ、待機モード。それからアマテラスに通報してくれ。これから捜査を『猟奇殺人事件(サイコパンク)』に切り替えるってな」
俺のセリフに答えるように、イニシャライザーはカチャカチャと音を立て、元の腕輪に戻っていく。
《了解しました。魂の穢れを誘発しないよう、くれぐれも慎重な捜査活動を期待します》
「ったく、魂より体の心配をして欲しいもんだぜ」
「VIのマニュアル音声に文句言っても仕方ないですよ、“先輩”」
背後から聞こえた声に俺は振り返る。
そこには俺が付けているものと全く同じ腕輪を着けたスーツ姿の女――雰囲気はまだ少女のソレだが――が、半眼で俺を見下ろしていた。
ふてぶてしいのか馴れ馴れしいのか、俺は嘆息しながら自称後輩の額に生えている小さな角を見上げる。
「というかだな、おまえはこれを見てなんで魂魄エラーが上昇しない? いくら鬼でもちょっとは胸にクるもんがあるだろうに」
「別にゾンビ化して歩き出すわけじゃあるまいし、死体は死体じゃないですか。先輩の神経が細すぎるんですよ」
「最近の若者こえぇーわー。サイコパンクの万倍こえぇー」
俺はもう一度深々と嘆息し、重い腰を持ちあげた。
続けて煙草を取り出し口に咥え、ライターを取り出す代わりに拳銃をホルスターから抜く。
「それじゃあ行くぜ、後輩。自分のケツくらい自分で守ってくれよな」
「それじゃあ行きましょうか、先輩。ドローンにその竿食いちぎられても、私見て見ぬフリしておきますから」
『いつも通りおまえらが愉快そうでなによりだよ、くそったれ。いいからとっとと捜査に戻れ。ホシは待ってちゃくれないぞ』
呆れ返った通信に押し出されるように、俺たちはその部屋を出る。
その通り、事件はまだ終わっていない。始まってすらいない。
俺たち“掃除屋”の仕事は、ここからが本番なのだから――
ぜひパクリたい(真顔)
http://www13.plala.or.jp/pia_cat/siko.pdf
キャラクター作成の大雑把な規律を大体作成。
数値加減やスキルの効果はざっくりと決めているので、これからコロコロかつ大幅に変更していく予定。
というか、クラススキルにするには微妙な効果もあるので、その辺をコモンスキルに。クラススキルは単純な数値上昇よりもっと変な効果にしていきたい感じ。
あとは装備品の簡単なまとめを作ったら、本格的にルールブックの体裁にまとめ始めたい感じ。
現状、脳内に点在する星屑を拾い集めてルール作ってます。
http://www13.plala.or.jp/pia_cat/siko.pdf
スキル構成を考え始めると、基本ルールの方にも変更点がちらほら思い浮かんできます。
なので体力がどれくらいかとかはスキルを考えてから考え始める予定。
書き忘れてたので補足。
キャラクターの技能は
基本成功率(クラスで決定)+技能レベル補正+装備修正
で決まる感じ。
攻撃の命中率はそのままでダイスロール。
回避率は命中率を下げるのではなく、BT(回避回数)を消費して成功すれば回避orダメージ減少できる。
〈見切り〉がダメージ軽減で、〈緊急回避〉がそのまま回避。
ここまで作ってみて、今回はわりと形に出来そうな予感がしてきた。
サイコ=パンクTRPG
完全鎖国した神霊統治国家日本を舞台に、発生する猟奇事件解決に勤しむ公安零課の活躍(?)を描くTRPG。
近未来技術と鬼や妖怪など日本古来の精霊が入り混じった世界観。
神霊デバイス『アマテラス』によって統治され、名目上あらゆる犯罪や苦楽から解放された理想郷の中で、何故か発生する猟奇事件を追いかけ解決するのが主人公たちの目的。
一部クトゥルー的要素も含み。正気度的パラメータがあり、それがなくなると主人公たちが「犯罪を犯す側」に回ってしまう。
主人公たちは掃除屋と揶揄されるほど身分が低い扱いを受けている。というか、そういう人間をあえて集めて監視しているというのが正しい。なので人権とかかなり怪しい。
設定はあれだけど、発生する事件自体はわりと地味。地道に足で情報を稼いで、犯人の正体やトリックを暴いたり、裏を掻いて逮捕するのが目的。
判定
パーセントロール、その後パーセントロールに使用したダイスを足して達成値。戦闘では達成値がダメージに加算される。
パーセントロールのD10は好きな方を十の位に出来る。達成値を出す場合、0は10でなくゼロとして扱う。
ゾロ目でコイントス。当たればクリティカル、外れればファンブル。
コイントス
いくつかの状況やスキルでコイントスを行う。
表か裏か選んで成功したら何かが起きる。
ブレットタイム
戦闘中とかすっごい時間の流れがゆっくりになる。なので雑魚はモリモリ倒せる。
当然敵もブレットタイムしてくるから結局は普通の殴り合いになる。
クラス:クラスは主軸となるメインと補助的要素のサブを選んで構築する。
刑事(サイコパス) :情報収集技能や射撃技能などを万遍なく取り揃えている主人公クラス
銃士(ガンスリンガー) :射撃技能に特化した戦闘系
剣士(ブレイドランナー) :武器格闘技能に特化した戦闘系
戦争屋(デトネイター) :武器全般や爆発物、特殊工作に特化した荒事屋
格闘家(ドラゴンオーダー) :生身での格闘戦に特化した戦闘系
鬼神(ゴブリンシャーマン) :いわゆる鬼。攻撃魔法や、地脈や霊脈を操る術に長けている。
妖怪(タタリフェアリー) :日本妖怪全般。補助魔法や、情報収集技能に特化している。
義体(マスエージェント) :機械を埋め込んでいる人間。埋め込む機械によって様々な特性を持たせられる。
クライマックスから戦闘をなくし、フォーカスシステムで解決してしまおうという暴挙に。
ぶっちゃけ敵のデータ考えるのってみんな面倒くさくね?と言うアレ。
自分たちにはクライマックス前に使用するCYFを有利にする系特技 & クライマックスの判定を有利にする系特技を。
敵キャラにはこちらの判定を妨害する系特技を。
あと報酬周りの使用も簡略化。
ルールブックを見なくても遊べる感じを念頭に。
http://www13.plala.or.jp/pia_cat/kari.pdf
選べる試練(CYF) → イベントシーン
を何回も繰り返してクライマックスを目指すという基本はそのまま。
フェイトを消費して判定を有利にできるギミックを残すかは考え中。
TRPGというよりボードゲームに近いノリになりそうな予感。